子どもが生まれたり、巣立ったり、また親の介護が必要になったり…ライフスタイルが変化するタイミングに応じて、家に求められる部屋数やスペースは異なります。
子どもが小さいときには、さらに多くのスペースが欲しいと思っても、やがて巣立つときが来たときにはガランとして寂しさを感じるという人もいます。
しかし一方で、介護が始まり、違う形の部屋やスペースが欲しいとリフォームの検討を始める人も多いでしょう。
そのようなときの選択肢の一つである増築は、愛着ある住まいの場所を変えることなく、部屋やスペースを増やすことができる方法の一つです。
今回は増築のタイミングや、メリットとデメリットなどについてお話したいと思います。
増築って何?
そもそも、増築とはどのようなものを指すのでしょうか。
増築とは、今ある家を壊さずに、建物はそのままに同じ敷地内に新たな部屋やスペースを付け加えることを言います。
今ある建物を壊すことなく、一部を変えることで、床面積を増やすことを増築というのです。
一階建てだった家に二階をつけたり、庭だった部分を部屋に替えることなどが増築です。
一方で、床面積を増やすことなく、間取りを変えることは改装と言います。
また、家の補修や設備の修理などは修繕と言います。
どれも同じリフォームとして一括りにしてしまいそうですが、少しずつ違うことを知っておきましょう。
減築する人も
増築とは反対に、使わなくなった二階をなくして平屋建てに変えたり、使わなくなった子ども部屋だった場所をなくしてしまうことを減築と言います。
最近では、掃除や管理ができなかったり、子どもが巣立って別の世帯を持ったことなどを理由に、減築する人も少なくありません。
増築のメリット
では、増築にはどのようなメリットがあるのでしょうか。
増築の一番のメリットは、建物のすべてを壊して建て直したり、住まいそのものを替えることに比べて、費用を抑えられることでしょう。
また、建物のすべてを壊したり、住まいそのものを替えることがないため、住み続けながら、新しい部屋やスペースを手に入れらることが増築の大きなメリットです。
建て替えの場合では、家が一時的になくなってしまうので、どうしても仮住まいをしなければなりません。
一時的であっても、学校や会社から遠くなってしまったり、少なくとも二度の引っ越しをしなければならないなど、経済的だけではなく、肉体的や精神的な負担も掛かります。
これに比べて増築の場合では、仮住まいの必要がないため、日常生活を変わらず続けることができるのです。
愛着のある家から離れずに
増築は、日常生活を変えずに、部屋やスペースを増やすことができる方法であることをお話しました。
つまり増築は、愛着がある家から離れずに、新しい部屋やスペースを手に入れられる方法だといえます。
家は家族が帰れる場所であり、安心や癒しを得られる場所です。新しい設備や機能を備えた家は魅力的ですが、ずっと暮らしていた場所は愛着を持つ人が多いでしょう。
増築では、住まいを丸ごと替える必要はありません。
このため、愛着のある家で新しい暮らしを始めることができるのです。
増築のデメリット
増築のデメリットは、家の中で、古い部分と新しい部分が混在することです。
部分的に新しい箇所が取り入れられることで、違和感を覚える人もいます。
また、新しく建物を繋いで増やす倍には、繋ぎ目に雨漏りやひび割れなどの不具合が生じやすくなることもデメリットといえます。
繋ぎ目から建物にトラブルが起きないようにするため、増築の技術と実績を持っている施工会社を選ぶ必要があります。
また、定期的な点検やメンテナンスを依頼できる施工会社を選ぶことも、増築のポイントです。
さらに、増築の場合には、建蔽率をきちんと計算して、行政で定められた容積率を超えないようにリフォームを進める必要があります。
建ぺい率や容積率を超えた建物は違法建築となり、建物の価値が下がることに繋がります。
家や暮らしにとって、良いことばかりに思える増築ですが、実はデメリットもあります。
デメリットもきちんと知ったうえで、増築のリフォームをすることがポイントでしょう。
タイミングと希望を合わせた形
増築は、単に子どもが巣立ったり、ライフスタイルに変化があったというだけでタイミングを決めないこともポイントです。
新しい設備や機能を取り入れやすい時期を検討したり、将来を考えたときに家の造りをバリアフリーにしておくなど、暮らしの変化のタイミングだけを重視するのではなく、これから起きるであろうライフスタイルの変化を見据えることも大切です。
増築のリフォームを検討し始めたときには、まず増築に対してどのような希望があるかを相談しましょう。どのようなタイミングに増築を取り入れるのが良いのかを施工会社と決めることで、より良い暮らしを手に入れることができます。
増築の、タイミングを相談してみよう
新しく部屋やスペースを増やしたい場合に、増築を選ぶ人は多いでしょう。
しかし、無理な増築は、建物の負担になったり、違法建築に繋がるなど、結果的に暮らしにくさを招くことになります。
建物や暮らし方、将来起きるであろうライフスタイルの変化を返答したうえで、どのようなタイミングで増築を行うべきなのかを施工会社と相談しましょう。
まとめ
ここまで増築について、タイミングや、メリットとデメリットなどについてお話しました。
増築は、今の暮らしを移すことなく同じ敷地内に新たな部屋やスペースを増やします。
今ある建物を壊すことなく、一部を加えることで部屋やスペースを増やすため、リフォーム工事中にも住まいを替える必要がありません。
愛着のある家を壊すことなく、日常生活を続けながら新しい部屋やスペースを増やすことが増築なのです。
ただし、増築の場合には、建蔽率や容積率を計算して、違法建築にならないように注意しなければなりません。
増築のリフォームを検討するときにはまず、どのような部屋やスペースを増やすことが可能なのか、希望する形などを施工会社に相談しましょう。
専門家の意見を聞くことで、家や暮らしにとって最も良い形で増築することができます。