庭を確保することは難しいけれど、もう少し外のスペースが欲しい!と思ったことはありませんか?
そのようなときには、ルーフバルコニーを増築するという方法があります。
ルーフバルコニーは、洗濯物を干すスペースに使ったり、家族でバーベキューをするスペースに活用できるほか、ペットの運動不足を解消するために活用することもできます。
車道に面していないため、目が行き届きやすく子どもが遊ぶスペースにしたり、防水加工や排水があることから夏には水遊びや家庭用のプールを広げることもできます。
今回は、ルーフバルコニーの増築について、詳しく紹介したいと思います。
ルーフバルコニーは増築できる?
バルコニーの多くは、建物の屋根のない部分に張り出したものを指すことが一般的です。屋根が覆ってバルコニーになっているものをルーフバルコニーと呼ばれています。
メリットや活用法が多いルーフバルコニーですが、増築することはできるのでしょうか?
ここからは、ルーフバルコニーを増築する方法や、気になる費用などについて、詳しく解説したいと思います。
増築の方法
ルーフバルコニーの増築工事は、どうしても大掛かりなものになります。
2階建ての家の場合では、すでに設置されている屋根を撤去する必要があるほか、ルーフバルコニーには、防水や排水の工事も必要になるためです。
また、部屋からバルコニーに出入りするためのリフォーム工事も必要になります。
このため、費用も大きくなる場合があります。
どの程度の規模の工事になるのか、どの程度の費用がかかるのかは、家の構造などによっても異なるため、施工会社への相談を大切にしましょう。
増築にかかる費用
ルーフバルコニーの増築工事にかかる費用の相場は、1平方メートル当たり約10万円程度と言われています。
ただ、どのようなバルコニーをどこに付けるかによって、費用は異なります。
さらに、ルーフバルコニーに階段を設置する場合には、これに加えて費用がかかります。
ルーフバルコニーを増築する場所が2階である場合には、部屋の中から屋上への内階段が必要です。内階段を作らない場合には、外階段を設置する必要があります。
内階段を設置する場合には、約80万程度が、外階段を設置する場合には、約20万円程度がルーフバルコニーの設置に掛かる費用に追加されます。
単に増築するだけではない
ルーフバルコニーは、単にスペースを外づけるだけの工事をすれば良いというものではありません。
屋根の一部としての機能も果たすため、防水処理が必要です。
屋根の一部でもあるため、防水処理がきちんとされていないと、雨漏りなどの原因になってしまうこともあります。
バルコニーに使われる防水処理は大きく2種類あります。
* ウレタン防水
* FRP防水
と呼ばれるものです。
それぞれ、どういうものなのか、詳しく紹介したいと思います。
ウレタン防水
ウレタン樹脂が硬化剤と化学反応を起こすことで、防水膜ができます。これを利用して防水するのが、ウレタン防水です。
さまざまな形状が可能であるため、継ぎ目などがない状態の防水膜を張ることが可能です。
ウレタン樹脂を重ねていく方法は、費用を抑えて行うことができるため、リフォームなどによく使われています。
ただし、きちんと乾燥させてから作業をしなければなりません。このため、比較的狭いスペースの防水施工に向いていると言われています。
また、ウレタン樹脂を通気緩衡工法は通気性を持っているシートの上から塗ります。このため、雨に直接濡れる屋上など、濡れる場所や広い場所の施工に向いていると言われています。
ウレタン樹脂は比較的価格が抑えられる物の、耐久性が弱いです。5年を目処に、トップコートを塗り替えるなどのメンテナンスを行うようにしましょう。
ウレタン防水は、1平方メートル当たり、4500円から7000円程度が費用の相場だと言われています
FRP防水
FRP防水は、プラスチック樹脂とガラスマットを重ねることで、防水層を作り、水を弾きます。
素材が軽いことから、木造の住宅でも大きな負担にならないというメリットがあります。
FRP防水は、ウレタン防水より価格が高いというデメリットがあります。しかし、比較的早く乾くことから、工事に掛かる時間を短くすることができます。
ただし、FRP防水には伸縮性がありません。
このため、揺れに従うことができず、ひび割れることがあります。
5年から8年をめどに、トップコートを塗り替えるなどのメンテナンスを行うようにしましょう。さらに、FRP防水は定期的な点検を行う必要があります。
FRP防水は、1平方メートル当たり、5,000円から8,000円程度が費用の相場だと言われています。
断熱対策も
ルーフバルコニーを設置すると、ルーフバルコニー部分には屋根裏の空間がなくなることになります。
このため、ルーフバルコニーのすぐ下の部屋などの空間は、外の気温や天候の影響を受けやすくなります。
ルーフバルコニーを増築するときには、すぐ下の部屋などの空間に、断熱対策を行わなければならないことが多いです。
断熱対策は、パネルを敷いたり、断熱塗装をするなどが多いです。
すぐ下の部屋などの空間をどのように使っているかにもよりますが、ルーフバルコニーを設置することで影響を受ける家の空間についても、対策を行いましょう。
まとめ
ここまで、ルーフバルコニーの増築について、詳しく解説しました。
ルーフバルコニーは、さまざまな用途のスペースとして活用することができます。
ただし、屋根の一部として増築することになるため、外や家の内側に階段の取り付けや、出入りするスペースが必要になります。
このため、どうしても大掛かりな工事になってしまう場合が多いです。
また防水処理をきちんとする必要があります。
防水処理がきちんとできていないと、雨漏りなどの原因となり、家そのものがダメになってしまうことが考えられます。
ほかにも、断熱対策などを施す必要があるでしょう。
どのようなルーフバルコニーを増築するかによって、費用や工事の期間などは異なる場合が多いです。
イメージするルーフバルコニーがどのようなものか、希望通りのルーフバルコニーの設置が可能かどうかなど、きちんと相談する必要があります。